毎年4月にイタリア・ミラノで開催されるミラノサローネ国際家具見本市。MAGISは例年同様、ヨーロッパの主要ブランドの集まるフィエラ本会場ホール20にブースを出展し、今年も多くの新作ラインナップが発表されました。会場の模様とともに新作情報をお伝えいたします。
今年のブースデザインは、エリアごとに異なる色彩やテクスチャーを展示したミュージアムのような空間をコンセプトに構成され、OfficinaやBRUTをはじめ、新しい素材や技術に紐付いたそれぞれのデザインストーリーがエリアごとに体感できる展示構成となっています。
また、ブースの高さに抑揚をつけ、オープンな空間はそのままに、シンプルな什器台やタペストリーなどで空間を仕切ることで、ブース内を自然と回遊できるようなレイアウトとなっています。
Chair_One メタリックカラー登場!
会場に入るとまず目に入るのが、ニュースタンダードカラーとシグニチャーコレクションが新たに加わった「Chair_One」。
2003年の発表から約14年、マジスのアイコン的なチェアとしてロングセラーとなっているChair_Oneに新たにメタリック塗装が施されたラインナップが登場。また、シグニチャーコレクションとして、特別なカラーを纏ったChair_One Concretebaseが発表されました。蛍光色のビビットな配色は、グルチッチ独特のスポーティな印象を感じさせます。
Officinaコレクションにソファやベンチなど新ラインナップ多数
ブース内でも広いスペースで展開していたロナン&エルワン・ブルレックの「Officinaコレクション」は、今年新たにソファやラウンジチェア、ベンチなど、多くのラインナップが発表となりました。
チェアの新仕様として背面と座面にKvadrat社のテキスタイルを施したファブリックタイプとプライウッド仕様が、またサイドテーブルの天板にもプライウッド仕様が加わります。
ソファは1シーターから3シーターまでのバリエーション、オットマンもあわせて展開され、クッションは程よい硬さのウレタンフォーム仕様で快適な座り心地を実現しています。サイドや背面、どこから見ても美しいフォルムに仕上げられ、鍛鉄の美しさも同時に引き立たせたデザインとなっています。
このOfficinaコレクションは、テーブルシリーズを皮切りに、チェア、スツール、アクセサリー、そして今年ラウンジチェアが新たに加わることによって、幅広くトータルなシーンで使うことのできるコレクションとなりました。
エレガントな曲線美のMila Table
Milaに新しくテーブルが加わります。スチールチューブとアルミダイキャストからなるベースは、Milaチェア同様にハイメ・アジョン特有の優美でユニークな曲線を持ち、チェアの配色とあわせたカラー展開となる予定です。天板はウォルナットや大理石など天然素材が組み合わせられ、エレガントな曲線美を持つベースに相応なハイエンドな仕様となっています。
新作「Sequoia(セコイア)」初お披露目
今年の新作ラインナップの中で、唯一新しいコレクションとして初お披露目となったのが、この「Sequoia(セコイア)」です。
Tibuのデザイナーでもあるノルウェー出身のデザインユニット、アンデッシェン&ボルが手がけたこのスツールは、プロジェクト当初、”森”をコンセプトに樹幹から別れる枝の分岐をイメージした作品でした。フレームはカリグラフィー文字を彷彿とさせるような、シンプルなフォルムで、シートとフットレストは床がそのまま持ち上がったようなフラットな表情を持っています。
また、このフレーム構造はスチールチューブの素材開発の中で、最終的に自転車からヒントを得たもの。フレームのジョイントはまさに自転車のフレームをイメージさせる仕上げとなっており、オプションでステッカーも貼ることができる予定で、ユニークな作品となっています。
コンスタンティン・グルチッチ「BRUT」
昨年のミラノ・サローネで発表されたコンスタンティン・グルチッチによるデザインの「BRUT」コレクション。荒く強固で重い鉄鋳物という素材を、初めてデザインの要として採用したこのコレクションは、昨年大きな注目を浴びました。
今年はテーブルシリーズ続き、ソファとベンチが登場。ソファのファブリックは、デンマークのテキスタイルブランドKvadratのプレミアムライン「KVADRAT/RAF SIMONS」から選定されたもので、ツートンのカラーが絶妙のバランスで組み合わされています。
壁面には、BRUTの型や工場での制作風景が飾られています。
Pila 新カラー&シートパッド仕様
Pilaにも新カラーとシートパッド仕様が登場。深みのあるえんじ色、ペールトーンのグレイ、ダークブラウンの3色が追加カラーとして発表され、シートパッド仕様も加わり、さらに高い快適性を実現し豊富なカラー展開から選べるようになりました。
ジャージーセイモアの新作「Bureaurama」プロダクションスタート
ジャージーセイモアの新作「Bureaurama」が、プロダクションスタートとなります。昨年は「Happy Endings」という名で発表されましたが変更され、これからのオフィスとその未来への無限の可能性という意味がその名に込められています。
プラネットを彷彿とさせるハンドスプレーペインティングが施され、働く場に対しエルゴノミクスなどの追求ではなく、使うことで創造力を掻き立てられるデザインを目指した作品です。素材はリサイクル可能なアルミニウムで、高い溶接技術によって成型されています。
Steelwood chair に新色&新仕様
Steelwood chairには、新色としてペールトーンのグレーや、ややメタリックがかった塗装のグレイアンスラサイトが、新仕様としてオーク材が新たに加わりました。新しいカラーはそれぞれ、座面と同色仕様もあり、オーク材はナチュラルとダークオーク色の2種が組み合わせによって選ぶことが可能となります。
淡いトーンとシックなカラー、それぞれ絶妙なカラーが加わり、今までの印象とは違う魅力と佇まいを放ち、また木目の表情と使い込むごとに風合いを増す特徴をもつオーク材が加わることによって、さらにグレード高く、幅広いシーンに合わせることができるチェアとして生まれ変わります。
Cyborg Daisy シャンパンゴールド&グレイメタルカラー
昨年発表となった、「Cyborg Daisy」も展示されていました。異素材の組み合わせが特徴的なCyborgシリーズ。新作はシャンパンゴールドとグレイメタルカラーのアルミニウムの背面をもち、屋外でも使用可能な仕様が登場しました。
me too collection
me tooコレクションにも新作が2点発表されました。
スイスのデザインチームBIG-GAMEによる「Little Big」は、3段階の昇降機能付で子供の成長に合わせて使うことのできるキッズ用チェアです。快適性をもつプラスチックシェルと安定した木製ベースは軽量に設計され、子供でも持ち運ぶことができます。
壁面に飾られたアートポスターは、マジスと初のコラボレーションとなるBlaise Drummondの作品です。彼は約20年もの間、葉の絵を描き続け、様々な背景やストーリーをもつ葉をコレクションしながら、記録として作品を残しているアーティストです。今回発表されたポスターは、それぞれ一枚の葉から移り変わる四季やその樹木、またその周辺の情景までも思い起こさせるような葉が描かれ、子供に豊かな想像性を与えてくれる作品です。
MAGISブースを盛り上げたデザイナーたち
レセプションカウンターの裏の取材・商談スペースは、SubstanceやPiloで構成。
会場には新作を発表したデザイナーをはじめマジスでもお馴染みの面々が来場し、今年もブースの雰囲気を盛り上げていました。